ここまでか。ここまでの差があるのか。ここまで何もできずに終わってしまうのか。
見ていた誰もが試合後に感じたことでしょう。
第55回スターゼンカップ日本少年野球春季全国大会大阪南支部予選1回戦
泉州阪堺ボーイズ戦
約半年前に対戦した秋季大会ではコールドによる完封勝利を収めましたが今回、相手選手の気合い、気持ちの強さに圧倒されっぱなしの試合展開となってしまいました。
序盤からなかなかヒットが出ない、バットの芯で捉えられない、フライばかりが打ちあがり、打ち返しても内野を抜けず、外野まで運べない。そしてファボールさえも狙うことができないくらい、コントロールの良い相手ピッチャー。
そんな状況にフラストレーションばかりが募っていく選手たち。打開策を見い出せずにいる間に、あれよあれよと着実に得点を重ねられ、焦りだけが募ってしまう。
そのまま時間だけが過ぎていき、ついに最終回ツーアウト、ノーヒットノーランまであと一人という屈辱の状況まで追い込まれてしまった。
この状況で打席へ向かうのは外崎玄絆。
この試合スタメンを外れ、途中から出場してはいたものの、試合前から人一倍悔しさを持って臨み、この一打席に懸けていた選手だ。
フルスイングが身上の彼が放ったバットからは、綺麗な快音と共に、打った瞬間に分かる弾道を描き、一塁ベンチがこの試合初めての盛り上がりを見せた。
センターへ値千金のクリーンヒット!!!
この日初めて相手ピッチャーを動揺させることに成功した!
結果、試合に負けはしたものの、意地がバットに乗った瞬間を目の当たりにし、この1本が次に繋がる事は間違いない!と思わせるに十分な打球だった。
そう。
気持ちを強く持てば必ず結果はついてくる。
気持ちを強く持てば必ず人も変われる。
それを体現し、土壇場で弾き返すほどの強い気持ちを持つことができた彼は、これから確実に変わります。
そしてその姿を見てまた、他の選手へ良い影響を与え、チームにとってプラスとなっていくことでしょう。
そんな予感がする希望の一打を、この悔しい試合の中で垣間見た事がささやかな幸せだ。



Comentarios